
電子回路接続作業というのは、技能検定という資格試験の中にある職種の一つで、主にはんだ付けの技能を認定するものになる。
平成25年度の実技課題を自分なりの製作手順で組立ててみたので、その過程を以下に掲載。
上の写真に示した課題を制限時間(3時間)以内に製作する。
この課題の回路は、何かの動作をさせる目的があるわけではない。どちらかというと、いろいろな部品をはんだ付けしてみせて、出来栄えを評価する事が目的のような回路である。
ただし、製作にあたっては、問題に指示されている持参可能工具のみを使用しなくてはならない。
プリント基板へのはんだ付けがメインではあるが、同軸ケーブルや棒端子へのはんだ付けから圧着接続まで、いろんな接続方法が盛り込まれている。
その他の要素として、試験開始前に、基板上に実装するテフロン電線の配線パターンが指示され、圧着工具の貸与開始時間が指示される。
テフロン電線の配線パターンは試験問題に3パターンすべてが公開されているので、事前にすべて覚えておいたほうが有利だろう。
圧着工具の貸与開始時間はだいたい試験開始から1時間後くらいだった(年によって違うかもしれない)。
白テフロン線の実装プリント基板に実装する部品のうち、背の低いものからはんだ付け。はじめは白いテフロン電線から。
どうするのがベストかは全然わからないが、とにかく、あらかじめ覚えていた長さに電線を加工し、たるみができないように実装する。
部品面ランドに予備はんだこの基板ははんだメッキされていないので、とにかくはんだが流れにくい。が、試験問題ではランドをすべてはんだで覆うことを要求しているので、あとあと面倒になりそうな部分は予備はんだしておく。
とりあえず棒端子とチップ抵抗・コンデンサだけ実施してみた。
本当なら、QFP・SOPも全部やったほうがいいだろう。
QFP実装
支給されるはんだのうち、0.4mm径のものを使って端子を1本ずつはんだ付けしていく。
自分はQFPやSOP部品のランドをはんだメッキしていないが、本来なら端子の内側部分(部品本体に隠れる側)をはんだメッキしておいた方がいいと思う。
SOP, チップ実装
なぜなら、やってみた感じでは端子のヒール部にフィールフィレットができるかどうか、正直、神頼み状態になってしまう。
自分の作業のスピードがもっと速ければ、もっとこだわってやってみたかったのだが、打切りまで行ってしまいそうだったのであきらめた。orz
事前にフォーミング
この試験、どんな職種であれ、普段の仕事でやっていることの腕前を認定するものなので、いつも同じものを作っているかのようになるまで試験課題を事前に練習しておかなくてはならない。
少なくとも、作業工程を事前に決め、効率良く完成までこぎつけるようにしておくこと。リード部品なら実装前にすべてフォーミングしておく。
ダイオード実装状態
基板の穴にピッタリと実装する。極性が無い部品は、実装する方向も決められているので、仕様に合わせて実装する。
部品のリードは部品本体からまっすぐ伸びているようにし、なで肩や碇型にならないように注意。でないとリードの根本に負荷がかかっていると取られてしまう?
特に、本体が小さくリードが細い小信号ダイオードは注意する。
リード部品実装後のPB1はんだ面
はんだ付け中、基板をひっくり返すのもロスになるので、リード部品や棒端子類はすべて実装しておく。
折曲げ方向がランドに沿っていなかったら、この時点でリードペンチで修正。
PB1はんだ面のはんだ状態
ここは一気にはんだ付けしていくのみ。ランド形状と取付部品が同じであれば、同じテンポで進めていけばどこも均一な出来栄えになるはず。
PB1部品面のはんだ上がり状態
取付穴がスルーホールなので、部品面側ははんだが上がっていないといけない。とはいえ、ここもある程度は神頼み。できるだけ練習段階で上がりやすいはんだ付け感覚をつかんでおくしかない。
ここまでで約1時間(くどいけど自分の場合)。圧着工具の貸与時間(15分)があるので、時間内に圧着すると共に、組立作業に向けての下準備をする。
電線加工
圧着工具貸与時間内に裸圧着端子の圧着を済ませると共に、この前後の時間を使ってリボン電線や同軸ケーブルも加工する。
テフロン電線取付け状態
棒端子に青・黄のテフロン線を巻きつけてはんだ付け、カップ端子にも赤・黒のテフロン電線を挿し込んではんだ付け。
カドが無い丸い端子に巻きつけるという感覚がよくわからず、あまり自信が持てない作業だったりする。
とりあえず、予備はんだしたテフロン電線を巻きつけ、薄くはんだを流した。
端子台へリボン電線はんだ付け
ラグ端子を取付けた端子台にリボン電線を引掛けからげではんだ付け。
シャーシ取付け後では、電線のからげやかしめがやりにくくなるのでこの時点で。
リボン電線の色分けに関しては、取付の始めと終わりが合っていれば、何色でも構わないようである。
ターミナル
課題の指示とネジの向きが違っているのでネジを組み換える。図は組換え前のネジの状態。
その他、雄ネジとワッシャを予め組んでおいて組立て前の準備完了。
部品取付け
最初にプラスチックの足を取り付けた後、ラグ端子、同軸コネクタ、Dサブ、ターミナル〜と続く。
写真はリボン電線とVSF電線の結束までを終えた状態のもの。
テフロン端子はんだ付け
PB1を取付け後、PB1のテフロン電線をシャーシのテフロン端子や端子台に接続する。
テフロン端子へはまたしても巻きつけからげ。とにかく端子とはんだが馴染みにくいので注意。前処理するべきだったか?
同軸コネクタへの接続
最後に同軸ケーブルを取り付ける。ここはとにかく芯線の周りの絶縁体が溶けやすい。ここは自分の腕ではどうしてもうまくいかなかった。
整形状態その1
整形状態その2
整形状態その3
組立て終わったらはんだクズを取り去り、電線などの整形を行う。時間が許す限り、綺麗に見えるように形を整える。
この課題は問題にも記載されているが、回路としての機能を持っておらず、それ故、部品の取付け間違えに気付きにくい。 練習するなら何回かに1回は、問題の仕様と製品を照らし合わせるほうがいいと思う。
はんだの出来栄えは、身の周りのもっと上手い人のものを参考にしましょう。