電子機器組立て2級課題製作

省エネコントローラ完成写真

概要

平成25年の技能検定(前期)から電子機器組立て作業という試験の実技課題が(自分が受けた時と比べて)大きく変わっていた(技能検定自体については中央職業能力開発協会の 技能検定のご案内 を参照)。 たまたま2級の実技試験用キットを入手することができたので作成してみた。
ちなみに、上の写真の完成品は自分で問題を読んで自分なりに作っただけなので、このとおり作っても合格するわけではない。 また、自分で言うのも何だけど、自分は他人と比べて不器用な部類だと思う(昔、2級合格に2年、1級合格に3年を要した)。
本当に合格したければ、こんなページを見てないで職場の上司に厳しく教えてもらうべき。

製作課題について

「省エネコントローラ」と名付けられた、上の写真に示した機器を制限時間(4時間)以内に製作する。 ただし、製作にあたっては、問題に指示されている持参可能工具のみを使用しなくてはならない。 完成後、製品の出来映え・問題の仕様が守られているかなどが評価され、合・否が決まる。 作業の名称からしてはんだ付け作業の印象が強いけど、あくまで電子「機器」組立て、はんだ付け以外の注意点がかなりある。
今回の作業手順は概ね、下のように進めていった(普通、こうなるはず)。

  • 束線作成
  • 基板作製(はんだ付け)
  • シャーシ組立て
  • 動作確認

製作時間は正確に測ってないけど、・・・恥ずかしながらトータルで8時間以上はかかったと思う。実際の試験では延長しても30分までなので、完全にアウト。

束線作成

トランスへの線だけ変更

はじめに問題に添付されている束線図に、釘を打つ目印や配線切断位置を記入する。
加筆した束線図を束線板(合板)にのせ、席を外して床面で束線釘を打つ。60本近く打った。

そして作業台に戻り、電線を引き回す。できるだけ束なった電線がきれいに直線状になるように引き回しを工夫する。 特に、色の違う電線が行き来するので、変な順序でやると色の違う電線が入り組んでカッコ悪くなってしまう。

束線の一部分

引き回した後は結束作業。釘と釘の間隔が狭いので、結束バンドで締め付けたつもりが釘に引っかかっていただけで、実はユルユルということが無いように注意する。 結束の間隔は、幹線からの引き出し(スキンナ)1本ずつが結束バンドで区切られるのが原則。 結束後は端末部分のからげを作製する。引掛ける部品の端子に合わせたからげを作ること。
ここまでやって束線が完成するのだが、初めてだとこの作業が一番時間がかかる。

基板作製(はんだ付け)

部品の実装状態

与えられる基板は、両面・スルーホール・ガラスエポキシ・はんだメッキなし・レジストなしで2枚という仕様。 その2枚の基板に部品を実装していく。 ランドの銅箔ははんだで覆う必要があるし、リード部品のはんだ上がりも適切でないといけない。

はんだ面

昔は定番トランジスタの2SC1815とかがあったけど、生産中止のあおりを受けてかはわからないが、チップ部品の2SC2712になっている。 時代は変わった。

自分の場合、意外と気を使ったのが、折り曲げないリード部品を基板に密着させて実装することだったりした。 特に要注意は12極ある端子台で、これは必ずセオリーどおり先に対角方向2点をはんだ付けしておかないと、自重で浮いてしまう。

シャーシ組立て

組立て前に束線を接続

注意するのは無垢のアルミ製シャーシにキズや指紋を付けないこと。これに尽きる。 組立て手順も、キズを付けにくく、なおかつ作業性を損なわない方法を編み出すしかない。
とりあえず、シャーシへの取付け前に以下を実施した。 後回しにすると、とても作業性が悪くなる。

  • スイッチ・ヒューズボックス・LEDのはんだ端子に予備はんだ
  • トランスへ束線をはんだ付け
  • 小さい基板(PB1)の端子台に束線接続

自分の手のサイズだと、トランスの取付けが難しかった。 今回は汚れ防止のために綿製の手袋を使ったが、束線のからげ部分やより線がよく引っ掛る。 もしかしたら、ゴム製の手袋のほうが良かったかもしれない。

ヒューズボックスの引掛けからげ

ヒューズボックスのはんだ端子の穴ははんだで埋めなくてもいいことになっている。 Pb Freeのようなカチカチのはんだだったら、熱膨張係数の関係とかで埋めないほうがいいってことなんだろうな(推測)。

動作確認

ここは特に大したことは無い。 間違ってなければ(それが重要なのだが)必ず動いてくれる。
近頃のマイコンを使った電子工作キットのようなものと比べて非常に地味な題材だけど、74ICや基本的な能動素子を使ったものの方が自分としては好きだったりする。 回路図読んでても面白いし。

完成

整形状態その1 整形状態その2 整形状態その3

完成というか、はんだくずを落としたり、束線・リードの曲がりをきれいに整え、ビニールコードを問題文にあるように束ねて完成になる。
見た目の美しさ、束線の直線性やシャーシのヘリへの密着性を重視しておく。 束線が直角に曲がる箇所が多いので思ったよりも苦労した(トグルSWへの引出しがイマイチで少し浮いた)。
これを4時間でやれって言われたら、最低でもあと5~6回は練習しないとダメだと思う。
また、自分1人だけだと束線順序や組立工程などの新しいアイデアが浮かばない。 こればっかりは仕方が無いか。

ちなみに1級の内容は

1級の課題も「省エネコントローラ」となっているが、小さい基板がユニバーサル基板になっており、そこに当日決まる4パターンの部品配置のどれかに合わせてすずメッキ線で配線していくというもの。 当然、それによって束線の引回し方も変えなくてはならないので、事前に憶えておくことがかなり多い(ような気がする)。 かなりの難易度と見た。